江戸時代末期に日本へ伝わり、多くの人に愛読されている『菜根譚』。
中国古典研究家の祐木亜子(ゆうき・あこ)さんのわかりやすい解説を読ませていただきました。
この古典は、聖人君子とはほど遠い、弱く醜く不安定な人間の心と真面目から向き合い、そうした弱い人間が日々の生活を平穏に生きるための、心の持ち方や人との関わり方を説いていると言います。まさに『東洋の幸福論』だと。
払意(ふつい)を憂うるかなれ。久安(きゅうあん)を恃むかれ。初難(しょなん)を憚るなかれ。全集199
訳) 思い通りにならないからといとって、くよくよ悩んではいけない。逆に思い通りになったからといって有頂天になってはいけない。今の幸せが続くと思ってならない。何かを始めようとして出鼻をくじかれたとしても逃げてはならない。
古典を心の拠り所として生きていきたいですね。