今日は、スイスの中山間地域の農業事情の視察。
インターラーケンから電車でグリンデルワルトへ。中山間地域の農村風景が広がっています。
スイスの農業は多様性があり、他のヨーロッパ諸国に比べ比較的農家経営規模が小さいのが特徴で、多くの家族経営農家は直売場を有し、農産物の地域消費が進んでいます。
スイスの農業は伝統的に畜産が中心。農業生産の割合は、畜産物が約50%、穀物などが約10%、そして野菜が約20%であり、 スイスにおいて畜産業の継続維持が重要となっています。ちなみに、スイスのここ10年間の生産物自給率は60%強。穀物が50%、ジャガイモ95%、そして牛乳の自給率は117%です。
スイス国内の農産物は国の制度で価格を保護されてきていますが、国境を挟んで隣の町ではスイス国内の半額ほどで同様の農産物 が販売されている現状から、スイスの農業の存続が危ぶまれています。
こうした中で、農業文化をいかにして保護して行くかが重大な課題で、特に山間地域の過疎化、農家の減少が問題となっています。
山間地域の農家保護の重要性は、それらの農家が牧歌的なスイスの風景を作り出していることにあります。スイスでは観光が国益の中心であり、スイスのイメージ、美しい農山村風景を残していくことが重要な農業政策になっています。
今日は、時間の都合で十分なお話をお聞きすることができませんでしたが、あらためてスイスの農業政策を学んでみたいと思います。
写真は、ユングフラウの麓で草を食む乳牛。