
駅にも四季折々の顔がある。
自然の摂理の中でいつも顔が違う。
一人の生徒がビルに昇る朝日に
ずっと目を奪われていた。
今日は私立高校の受験日だったようだ。
朝日を見ながら、友を待っていた。
多くの受験生が
私の前を通り過ぎていく。
「頑張ってね・・・」
そんな声しかかけられなかった。
所用があって都内に。
前から気になっていた森繁久弥さんののCDを探してきた。
朗読が素晴らしい。
利根川のほとり 萩原朔太郎
きのふまた身を投げんと思ひて
利根川のほとりをさまよひしが
水の流れはやくして
わがなげきせきとむるすべもなければ
おめおめと生きながらへて
今日もまた河原に來り石投げてあそびくらしつ。
きのふけふ
ある甲斐もなきわが身をばかくばかりいとしと思ふうれしさ
たれかは殺すとするものぞ
抱きしめて抱きしめてこそ泣くべかりけれ。